一寸のパート社員にも燃える魂。

30代後半、パート社員として働くhatakeyomeの日常を記します。

色恋。

19才の時にしばらく仲良くしていた女の子がいた。

高校生の時から付き合ってるという彼氏持ちだった。

 

彼女はスッピンはブスだった。

でも化粧がうまくて、当時はウイッグも流行ってて、別人のようだった。私も初めて会った時は彼女がメイクをしていたから、スッピンを見た時はのけぞった。

 

性格はサバサバしていて、毒舌だった。

ブスのサバサバは性格悪くうつるが、メイクをしている彼女は美人なので許された。

 

彼女との付き合いに疑問を抱き始めたのは、男の前でのぶりっこ演出に気づいたからだ。

2人で遊びに行こうということになって、約束した場所と時間、彼女は男連れでやってきた。

しかも高校生の時から付き合ってる彼氏ではなく、美人になった彼女に言い寄ってきた地元の有名なヤンキー先輩。

 

彼女はメイクでただでさえ別人なのに、ヤンキー先輩の前だとさらに別人だった。さとう珠緒みたいな声と仕草。

また私はのけぞった。

ヤンキー先輩の車の運転席と助手席に座る2人がシートの間でつなぐ手を私は後部座席から見つめていた。

 

ボウリングとかカラオケとか、とにかく3人で遊んだ。

 

今日は遅いからと、一人暮らしのヤンキー先輩のアパートに泊まることになった。

フラグ立ちまくりである。

アパートの部屋は2DK。

私だけ別室で寝かされた。正確には彼女の布団も一緒に敷いたけど、朝まで布団はきれいなままだった。

 

私、なんでここにいるんだろう。

1人でヤンキー先輩と遊べばいいのになんで私連れてこられたんだろう。

 

理解できなかった。

サバサバだったはずの彼女は朝もさとう珠緒のままで、私は用事があるから先に帰るということにして、車で送る申し出も断って、土地勘のない住宅街を駅まで歩いて帰った。歩きながら友達やめようと思った。

 

男の前だと変わるのはしかたない。誰だって好かれたいし嫌われたくない。

でも、そんな打算に友達巻き込まないでほしい。私にも打算的なことがあって友達同士で結託するのならまぁ、わからなくもない。

私は数日後に彼女に「彼氏いるのにどうしてヤンキー先輩と遊んでんの?」と聞いた。

彼女は「誰と遊んでもいいじゃん、むこうから言い寄ってきてんだし」と言っていた。

私はまたまたのけぞった。のけぞりすぎて、なんで私がその場にいなければならなかったのか聞き損ねた。たぶんそれにも大した理由などなかったはずだ。

 

だけれども、あの時の自分の感情がいまだに整理できない。

もしかしたら私は彼女に嫉妬していたのか。

ないがしろにされた自分が可哀想だったのか。

彼氏を裏切る彼女に対しての正義感だったのか。よくわからない。

 

ただその一件から

「友達の色恋に巻き込まれるとロクなことがない」

「色恋が絡む男女で遊ぶ時に奇数はフラグ」

を学んだ。恋愛ではなく敢えて色恋と言う。

 

 

 

のちに私は自分の恋愛やキャバクラでのアルバイト経験を経て強い大人の女となるのですが、それはまた別のお話。